- Writer
- キウチトウゴ
みなさん、町中華はお好きですか?
ご挨拶より前に唐突な質問をしてしまい、恐縮です。
町中華。いつからか、B級グルメや、キタナシュランなんて言葉で定義されがちですが、要はみなさんのお住まいの街に、必ず一軒はあるであろう、小さな中華料理屋さんの事。知る人ぞ知る、というマニアックさよりは、「その街の人しか知らない」という特別感のあるお店、それが町中華なのではないでしょうか。
その人気をビジネスチャンスと捉え、わざわざ本来の町中華のようなブランディングをしたいわゆる「ビジネス町中華」まで現れる始末。
でも、町中華の魅力や味って、一朝一夕に作り上げられるものでは無いですよね。何十年も地域に根付いて伝わる味、無愛想だけど良く知ると本当はお茶目な店主、年季の入ったカウンター席。どれも時間と共に味わいの増し、そのお店がその街の町中華として定着していくものです。
前置きが長くなりましたが…
我らが聖蹟桜ヶ丘にもいくつか町中華は存在するのですが、その中でも強い存在感を放つのが、川崎街道沿いにひっそりと佇む「大門」です。
駅から徒歩圏内かつ、車も2台置けるため、アクセスは良好。しかし路面店ではあるものの駐車場の奥に店舗があるため、通りがかりに気軽に入る…というのが実はハードルが高く、前を通ってもここが中華料理屋だと気付かずに素通りしてしまう可能性も。
かく言う私も、この店の存在は人伝に知り、聖蹟に住んでるなら行くべきだ!という強烈なプッシュを受けて初訪問したんです。以来通い詰め、友人を聖蹟に招いた時には高確率で大門にアテンドしています。
(友達を呼んだ時に自信を持って連れて行ける店である、というのも町中華の定義のうちの一つに入るかもしれませんね)
しかし私は最近、大変なことに気づいたのです。
自分、通い詰めているくせに半分くらいのメニュー、頼んだことないな…と。
とにかく定番のメニューが旨いので、ローテーションになってしまい、その結果新しいメニューを探求する冒険心が失われていたのです。
大門好きを名乗る上で、それは良くない。そう思った私は決意しました。
「全メニュー制覇するぞ」と。
隅から隅まで、大門を食べ尽くそう、と。
そして、その先にある景色を見てみたい、と。
さあ、共に行こうではないか、ビッグゲート(大門)のその先へ。
/連載「ビッグゲートのその先に」プロローグ。
- Writer:キウチトウゴ
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日野生まれ、多摩市在住。くさび社所属。緑色のものを追いかけるのが好きです。夢は多摩市に銭湯を作ること。
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