夫婦の愛がこもったイタリアンCafe de Fleurus 27 (カフェドフルリュス27)前編

2021/11/30 Tue
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京王線 聖蹟桜ヶ丘駅から徒歩8分の大栗川沿いにお店をかまえるCafe de Fleurus 27(カフェドフルリュス27)は、富澤さん夫婦の愛がこもったイタリアンをいただける素敵な場所。

インタビュー前編では、Cafe de Fleurus 27の開店までのストーリーと、おすすめのメニューをお伺いしました。

Interviewer
キウチトウゴ
Photographer
emiri

ロンドンでの運命的な出会い

大栗川を臨む素敵なロケーションが印象的ですが、この場所でお店を開かれた経緯を教えてください。

富澤さん

人が集まる場所を作りたかったんです。そのとき、たまたまこの場所とのタイミングがあって、それではじまりました。
実は、元々母親の実家があった場所で、色々あってうちの親は駐車場にしようかと言っていたんですが、「僕が考えるよ」と伝えて、前からやりたかったこういうイタリアンのお店をやりつつアパートをやろうか!となりました。

「前からやりたかった」というのは、以前から料理のお仕事をされていたのですか?

富澤さん

料理の仕事はしてなかったんです。でも、家内(スイス出身・イタリア人のラウラさん)の実家の叔父さんがイタリアンレストランをスイスでやっていて、そこに出入りしたりしていましたね。家内も子どもの頃から「レストランが家」みたいに過ごしていて、そういうのを見ていて「こういうのやりたいな」と。

奥様との出会いが大きなきっかけだったのですね。

富澤さん

家内とはロンドンで出会いました。私は前からイギリスには行きたくて、ロンドンで身体障がい者の方々の看護のボランティアをしていたんです。
その後、家内の実家のスイスに行った時に初めてまともなイタリア料理を食べて「ピザってこんなにおいしかったんだ」って気付いたんですよね。スイスはイタリアの移民が多いから、イタリアンのお店がいっぱいあるんです。彼女の実家もそうだし、改めて「なんかこういう家庭的なイタリアンっていいね」って。

本場の家庭料理の味を身近に感じられたんですね。

富澤さん

ちょうど90年代のはじめくらいで、日本での赤ワインブームの少し前でした。それで叔父さんがワインのコレクションをしていて、飲ませてもらっていて。「ワインってこんなに美味しかったんだ」とピザのときのように。
「ワインに合わせるものを」って美味しい料理を叔父さんに食べさせてもらって「こんなおいしいのか」と感動しました。

その体験があって、今出している料理ははもっとカジュアルなイタリアンになります。叔父さんのお店はちゃんとしたイタリア料理屋で、ステーキとかも火を持ってきてその場で焼いてくれるようなきっちりしたところでしたけれど、僕ができるのはカジュアルなピザとかパスタとかですね。

富澤隆義さんとラウラさんご夫婦。日本語が堪能なラウラさんの明るく丁寧な接客も、フルリュスの魅力のひとつ。

シンプルで美味しんです、イタリア料理って。」(富澤さん)

そして日本に戻られて、お店を開こうと。

富澤さん

結婚後しばらくスイスにいたのですが、日本の家に帰ってこなきゃいけない理由があって、そのまま家業を継ぎました。もともといつも地元のひとが集まってくる場所で、「どう?最近?」っていつも盛り上がっていました。それもそれで当時は面白かったですね。

スイスにいるときに美味しいと感じたイタリア料理から、今の料理にインスパイアされたところはありますか。

富澤さん

味知らないと作れないから、そういうインスパイアみたいなのはありますね。
ピザも感動的だったし、パスタは元々家庭料理だったんですよね。叔父さんのレストランもやっぱりおばあちゃんが作っていて、おばあちゃんはノンナっていうんだけど「ノンナのパスタ」って言われてましたね。それでイタリア料理ってやっぱり美味しいねってなりました。シンプルで美味しんです、イタリア料理って。

フルリュスで出されている料理は、家庭の温かさやカジュアルな雰囲気が出ているんですね。
その中でもイチオシのお料理はありますか。

富澤さん

ピザが美味しいです。25センチの小さいピザだけど、それだと1人で食べきれそうでしょ。つまみにもなるし。あとはビールかな。月替りで生ビールを入れ替えています。やっぱり生が人気ありますね。瓶ビールはクラフトビールを選んでます。実際に飲んで決めるけど、ジャケ買いのものもありますね(笑)

小さめのピザは一人でも食べ切れてちょうどいいサイズ。ピザ自体は脂っぽくなく素材の味が引き立ちます。

あたたかい料理と、あたたかい想い 

フルリュスの富澤さんの作るお料理は、ボランティアや地元で営まれていた家業の経験から、人の想いに寄り添ったあたたかさと優しさが伝わってくるお料理です。奥様のご実家の料理がルーツとなった、素敵なイタリアン。

後編では多摩地域での思い出と、いただいたメニューの紹介をしていきます。

ランチもディナーも雰囲気がよく、お子さま連れでもデートでも、どんなときでも素敵なお料理が楽しめます。聖蹟桜ヶ丘に来た際にはぜひ足を運んでみてください。

Writer/Interviewer:キウチトウゴ

日野生まれ、多摩市在住。くさび社所属。緑色のものを追いかけるのが好きです。夢は多摩市に銭湯を作ること。

Photographer:絵美里

生まれも育ちも京王線沿い。くさび社所属のシングルマザー。愛猫のプティは最近新しい家族に。元美容師で、現在はライティング、フォトグラファー、デザイナー、古着屋の運営などなんでもやってます。

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