たまをたのしむウェブマガジン
〈たばこをくわえながら 車を走らせる〉 八王子あたりから新宿方面へと進んでいく、様々な地方ナンバーの車列。 〈ハンドルにぎりながら 僕半分夢の中〉 ノロノロと数センチ単位でタイヤを動かすタクシーの運転手は眠そうに何度も目を瞬かせている。隣の車線では、古びた乗用車の運転席から男が覗き込むようにして渋滞の先を見ている。後部座席からぼんやりと窓の外を眺めていた女性と一瞬目が合った。女性はすぐに目をそらす
2021/11/30