巡る古着の。第一話

2023/04/11 Tue
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emiri

はじめまして。こんにちは。

聖蹟桜ヶ丘で古着屋のディレクターをしているemiriです。

「巡る古着の。」と、なんだか中途半端なようでもどかしい名前のコラムを、今回より連載していきます。

第一話目はプロローグとして「わたしが抱く古着への想い」と、「これからみなさまにお届けしていきたい話」について綴ってゆきます。


巡る古着の、輪廻。

わたしが聖蹟桜ヶ丘でディレクションをしている古着屋は「manège TOUR」といいます。

SNSはこちら。よかったら覗いてみてください。

「manège」はフランス語で回転木馬。「TOUR」は英語で巡回、旅、周遊のこと。

両方とも「まわる、めぐる」という意味でつけた名前です。

そもそも「めぐる、まわる」にはこんな意味があります。

・まわって再びもとに返る。

・ある事柄を中心としてそのことに関連する。

・輪廻 (りんね) する。

・この世に生きる。世の中に交わる。

“巡る/回る/廻る(めぐる)の意味・使い方をわかりやすく解説 – goo国語辞書”

古着を好きになったわたしは「あぁ。ずっとめぐっていたいな」と感じたのです。

好きな古着屋を何店舗も巡ること。

古着を取り囲むひとと仲良くなること。

誰かから回ってきた古着を、また他の誰かへ回らせること。

ずっとめぐって、まわり続けて終わりがない永遠になること。

かたちにとどまっていて「消耗品」とされる服たちには必ず終わりがあると思っていました。

でも古着を好きになって奥深さを知り、心や気持ちがたくさんこもった服には終わりがないんだと感じました。

「巡るんだ、古着は」と、不思議な感覚と気持ちになったのを覚えています。

服がつくられて最初に袖を通すひとのもとで、服は一度目の命を。

ピカピカの服と出会い目を輝かせて、着るときのことを心躍らせながら想像する。

いつしか着なくなってしまい捨ててしまう。のではなく、

また目を輝かせ心躍らせてくれるひとのもとへ行くことができれば。

服は古着となって何度も生まれ変われる存在だと思うのです。


巡る古着の、いいところ。

輪廻だとか、永遠だとか。いきなりちょっと怪しい雰囲気でごめんなさい。まじめで真剣な想いとしては本当にそれくらいの心で古着に恋をしました。

個人的には古物全般に対して同じ想いがあるので、

家具や車、建物など「古い!!!」と感じるほど胸が高鳴ります。

最初から汚れていれば、汚れを気にせずにおしゃれが楽しめます(子育て中やわんことの公園遊びにもおすすめです)し、ピカピカな古着はそれはそれでお宝感がありますし。

1940~50年代の域にくると「こんなにかわいいものが80年前に!?」とつい目をきらきらさせて飛び跳ねてしまいます。掘り出し物をみつける喜びはみなさんにもわかってもらえるはず。

色んな説が飛び交う世の中ですが、環境問題や動物愛護、労働問題への対策としても古着は希望の光だと思うのです。

そんな「いいところ」の話をこれからの連載で深掘りしてお届けしていきます。


すこし、かなり、まじめで不思議なコラムになりますが、これから「巡る古着の。」連載をどうぞよろしくお願いします。

第二話は、古着のたのしい選び方をお話しします。

タグ萌え、国萌え、ステッチ萌えなど……。

古着好きにはあるあるなお話しです。お楽しみに。

emiri

生まれも育ちも京王線沿い。くさび社所属のシングルマザー。愛猫のプティは家族の末っ子。元美容師で、現在はライティング、フォトグラファー、デザイナー、古着屋の運営などなんでもやっています。

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